父の日

今週のお題「お父さん」

 

 

 

お父さん

という言葉を聞くと、

マイルドセブンの匂いがして、緑の作業着姿が目に浮かびます。

 

 

 

うちのお父さんは好き嫌いが多い。

キュウリが食べられない。

豚肉が食べられない。

刺身は好き。

テレビを見てもあの人が嫌いでこの人も嫌い。

 

うちのお父さんはせっかち。

30分前行動。

電話は3コールで切る。

 

うちのお父さんは正直者で、裏表がなく、言いたいことは誰にでも言う。

媚びたりしない。

いつだって自分にまっすぐで、誰かに合わせようとはしない。

それは良くも悪くもあり、敵もよく作って強い味方も作る。

 

お父さんが小3の時

給食の時間にふざけていると、当時の担任の先生に

「もうあんたは給食を食べるな」と言われ、

(よし見とけよ。

あとから食べろと言われても絶対に食べないからな。)

と心に誓い、

しばらく経って案の定「もういいから食べなさい」と言ってきた先生を無視し、

「食べなさいって言ってるでしょ!」

と怒られると、

「いらねーよ!」(実際は方言で言ってます)

と給食を床にひっくり返した。

 

この話を200回は聞いたけれど、それはそんな風に得意げに語るような武勇伝ではないと思います。

 

 

うちのお父さんは寂しがり屋。

仕事の関係上、毎日家にいるわけではないので、

1日に2回はお母さんに電話をかける。

こんなことがあった、という報告。

 

うちのお父さんはお母さんが大好き。

18歳の時から一緒にいても飽き足らず毎日電話をかけてくる。

おじさんとおばさんになった今でも同じベッドで一緒に寝る。

枕元には2人で旅行に行った時の写真を飾っている。

姿が見えなくなると

「お母さんはどこに行った」

と私やお姉ちゃんに聞く。

 

お父さんは臓器提供意思表示カードを書いた。

眼球は提供しないと記した。

死んだ後、目がなくてお母さんを見つけられなくなるのが嫌なんだと言った。

自分が死んだら、お墓なんかに置いて行かず、少しでいいから骨を小瓶に入れて持ち歩いてほしいとお母さんに言った。

 

その話を聞いて、私は鼻で笑って見せたけど、

ほんとはなんか嬉しくて少し泣きそうだったんだ。

 

 

うちのお父さんは怪獣より強い

私とお姉ちゃんが小さい頃、お父さんはそう言った。

どんなに、もうほんとにどんなに強い怪獣やわるものがやって来ても、お父さんには勝てない。

私もお姉ちゃんも心の底からそれを信じていた。

今思えばそんな風に思わせてくれてありがとね。

おかげで何も怖くなかった。

 

 

お父さんは家族思い。

お姉ちゃんが小学生の頃、

一緒に遊んでいた友達に馬鹿にされ、とても傷ついた時、それを見ていたお父さんがお姉ちゃんの手をつかんで石を持たせて、

「こんな奴はな、こうしてやれ」

とその子を石でぶつふりをした。

その子は泣いて家に帰り、お母さんがケーキを持って謝りに行った。

 

 

 

身内を何度も亡くしたお父さんだからわかる人の大切さ

自分より何より私たちのことを大切にしてくれる

 

 

そんなお父さん。

お姉ちゃんの結婚式では泣いてたね

お母さんが笑って横から涙を拭いてあげてた

 

 

最近は孫にデレデレのお父さん

じぃって呼ばせるんだ。

大きくなったらバイクの後ろに乗せるんだ。

ってはりきったりして。

 

 

お父さんの血を強く引いた私だからよくわかる父の強さと弱さ

年々増えていく白髪を見ながら、

私もはやく安心させてあげたいと、心から思っています。

 

何度も失敗した禁煙は諦めてベランダで吸う煙草

焼酎は一杯まで。守れなかったらバイクは取り上げます。とお母さんに書かされた誓約書

 

いつでも家族に安心と笑い声をくれる

病気しないでね

どうかどうか

お母さんと2人いつまでも元気で

長生きしてください

それだけ願ってます

 

私のお父さん