青い特急列車

 

私の生まれ育った街はとても小さく狭く

高校を卒業するとみんな出て行くのが当たり前でした

私も県外の大学に進学することが決まった

車の免許をとって

あの大雨の卒業式を終えて

出て行くまでの日々は毎晩仲良い人と集まってドライブしたり遊んだりしてた

そして他のみんなより少し早く

私は生まれ育った街を後にした

 

大学に入ると

幼稚園から高校までの変わらないクラスのみんなと過ごす毎日からガラッと変わり

誰1人知らない大勢の中に入ることになった

幸い、わりとすぐに慣れた

でも大学生ましてやこの前まで高校生だったみんなだから、やっぱり幼さが残っていた

同じ学部の女の子たちにあまり馴染めなかった

でも部活に入りできた仲間とはすぐに打ち解けて

今でも変わらないほど一番大切な友達になりました

そんな毎日

大学生は自由だ

なんでもありだった

初めて泥酔したのは18歳の時です

(お酒ははたちから。)

今まで知らなかった色々なことを知り

バイトをしたり仲間ができたり

とても楽しい毎日のはずなのに

私の心はいつでも寂しかったのでした。

 

 

会いたい。

 

 

いつもそう思ってたよ

いつだって私はあなたに会いたかったのでした

 

あなたは高校を卒業すると私とは別の県のけっこうレベルの高い大学に入りました

卒業して一番変わったのはあなたに会えなくなったということ

大学に通っていて後ろ姿が少しあなたに似ている人を見かけただけで悲しくなったりしてた

 

大学に入って早々に彼氏ができたり好きな人ができていくみんなを横目に私はなにも変わらなかった

会いたい。

忘れられない。

それだけだったよ

 

27歳、28歳になった今、お盆やお正月になっても地元に帰らない人が増えてきた。

結婚したり子供ができたり

仕事が忙しかったり

それは当たり前のこと。

でもその頃はまだ大学生

みんな地元や旧友が恋しく、卒業した次の年の連休にはほとんど全員が帰ってきたほどだった。

それでみんなで集まって飲んでた。

あなたに会えるのが嬉しくて嬉しくて嬉しくて

私も地元に帰るのが一番の楽しみだった。

 

そうやって過ぎていったよ

大学2年になって

友達をつたって仲良くなった男の子に告白されたりした

その子のことけっこういいなって思ったけど

あの人のことをまったく忘れられずにいた私は他の人と付き合う気になれなかった。

 

そうやって20歳も目前になって

一番仲の良い2人の友達には彼氏ができていた

さすがに寂しいと感じた。

でも他の人を好きになることはなかった

 

 

 

 

 

地元の男の子で

一番仲が良かった子がいる

2人でいると本当に笑いが絶えなくて

どんなくだらないことでもすっごい笑えるような

そんな人がいた

その人はとても心の優しい人だった

ずっと一緒にいた分私のこともよくわかってくれていた

その人は専門学校に進学したんだけど、就職を機に引っ越して、私も気軽に遊びに行けるような距離になった

それは大学3年の春

みんなでその人の家に集まったりしていたけど

ある日2人で会うことになった日があった

距離がぐっと縮まって

私たちは付き合うことになったのでした。